第3回 小惑星ライトカーブ研究会の記録

 2006年7月8日(土)の午後、国立天文台三鷹のコスモス会館会議室において表題の研究会が開催されました。

 この研究会は、アマチュアとプロを対象とした小研究会で、小惑星ライトカーブ・メーリングリストが主催したものです。
 当日はプロの研究者や学生、アマチュアなど20名が集まり、「はやぶさ探査機による小惑星イトカワ近傍観測の科学成果」などの招待講演に引き続き、最新の研究成果について7件の発表がありました。

 次回も来年7月初旬に東京で開催の予定です。参加者の大半がプロの研究者で、発表内容もレベルの高いものばかりですが、プロの研究者との共同研究で本格的なサイエンスに取り組むことが可能な分野です。研究的な観測に感心をお持ちの方は、ぜひ気軽にご参加ください。


  日 時:2006年7月8日(土)13:00〜17:30
  場 所:国立天文台・三鷹、コスモス会館会議室

講演プログラム

招待講演

はやぶさ探査機による小惑星イトカワ近傍観測の科学成果
発表者安部正真&はやぶさサイエンスチーム(宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部)
収 録収録は公開されません
Deep Impactの時代を迎えて
発表者柳澤正久(電気通信大学)
発表要旨テンペル1彗星に探査機を衝突させ内部物質を調べたDeep Impact計画から約1年が過ぎた。今後、ターゲットは小惑星にも向けられる。「数ある中の一つや二つ」あるいは「スペースガードのため」などこのような探査方法を歓迎する意見もあるが、「やりたい放題でよいのか」との疑問も浮かぶ。科学、宇宙法、倫理の面から考えてみたい。
収 録PDFファイル(391KB)

研究発表    (講演時間18分、質疑応答2分)

若い小惑星族小惑星の光度曲線観測
発表者伊藤 孝(国立天文台)
発表要旨族形成時の衝突破壊イベントの情報を残している可能性の高い形成年代の若い小惑星族に属する小惑星の測光観測から、光度曲線を得、個々の小惑星の自転周期、形状、絶対等級等を調べることができる。これらの物理特性は小惑星族を作った天体の衝突破壊イベントの物理過程に関する我々の知識を大幅に進展させる基礎データとなる。この発表ではこれまでに我々が観測したKarin族小惑星の光度曲線を紹介する。
収 録PDFファイル(164KB)
入笠山における小惑星観測とライトカーブ測定
発表者黒崎 裕久(宇宙航空研究開発機構)
発表要旨AXAでは長野県入笠山に望遠鏡を設置して静止軌道デブリおよび小惑星の光学観測手法の研究を進めている。35cmという比較的小さな望遠鏡ながら開発した移動天体検出ソフトウェアを用いて21等級を超える暗い小惑星を多数検出している。昨年末から稼働している新観測所では,これまでに86個の未知小惑星を発見し仮符号を取得した。現在では,この等級クラスでの発見は世界でも数カ所の天文台に限られる。また,観測画像からライトカーブ測定も試みており,そのいくつかを示す。さらに静止デブリの検出についても紹介する。
収 録PDFファイル(3531KB)
小惑星(3220)Murayamaの測光観測について
発表者土川 啓(石川県柳田星の観察館「満天星」)
発表要旨2004年11月7日から12月17日にかけて小惑星 (3220)Murayamaのライトカーブ観測を行ったところ、観測結果からバイナリ小惑星であることがわかりました。この小惑星(3220)Murayamaが2006年4月に衝を迎えたため、追跡観測を行いました。今年分の観測について報告します。
収 録PDFファイル(1685KB)
小惑星の物理観測のいろいろ:ライトカーブ観測との関連
発表者関口 朋彦(国立天文台)
発表要旨
収 録PDFファイル(2798KB)
なゆた望遠鏡可視分光器を用いた小惑星分光観測の試験観測
発表者長谷川 直他(宇宙航空研究開発機構)
発表要旨今年の3月ににしはりま天文台のなゆた望遠鏡の可視分光器を用いて、小惑星の分光観測のテスト観測を行った。対象はスペクトルはよくわかっている天体である小惑星4ベスタでである。観測の結果について報告いたします。
収 録PDFファイル(9451KB)
3色同時ライトカーブ観測
発表者黒田 大介(国立天文台/石垣島天文台)代読 長谷川 直
発表要旨16個の小惑星について、3色同時測光観測を行った。各色の差を取ることで、小惑星の形状による光度変化とは異なる微小変化を13個の小惑星について発見した。この変化は、形状だけでは説明できない表面物性の非一様性によるものと考えられる。解析結果と統計について報告する。
収 録PDFファイル(4241KB)
小淵沢36cm望遠鏡のカラー変換係数
発表者宮坂 正大(東京都庁)
発表要旨 小淵沢の36cm望遠鏡で標準等級を求めるために必要となる、カラー変換係数を求めた。発表では詳しい観測・解析手順も含めて説明する。
収 録PDFファイル(497KB)