測光は IRAF の apphot コマンドを用いる。この apphot は多くのパラメータを適切に設定することが必要である。apphot では5つの画面を切替えてパラメータの編集を行う。ここでは最初に phot パラメータ画面に入り、そこから別の画面に移行する方法を紹介する。
まず、epar phot コマンドを実行する。
ecl> epar phot

まずこの画面では radplot の初期値が no となっているので、yes に修正する。
次に画面の datapar の行に矢印キーでカーソルを移動してから :e (コロンと e )と入力すると下の datapar の編集画面に移行する。

この画面では fwhmpsf の値として imexamine で調べた FWHM の平均値を入力する。(この値は毎回修正する)
さらに、画像のFITSファイルのヘッダにこれらの値が記録されている場合、個々に値を入力せずに、ヘッダのキーワードを指定するだけでヘッダから自動的に値が読み込まれるので便利である。
特に exposur= を登録しておくと、測光結果の FLUX を単位時間(1秒)当たりのカウント値として出力される。これは標準星などを異なる積分時間で撮像しても、常に単位時間当たりの FLUX が得られるので大変便利である。
筆者は以下のキーワードを登録しているのが上の画面見本からもわかるだろう。
(exposur= EXPOSURE) Exposure time image header keyword
(airmass= ) Airmass image header keyword
(filter = FILTER) Filter image header keyword
(obstime= TIME-OBS) Time of observation image header keyword
SBIG STL-1001E + CCD Soft で作成される FITS ファイルのヘッダ(抜粋)は以下のようになっている。
TIME-OBS= '13:32:50.899 '
FILTER = 'R '
EXPOSURE= +6.000000000000e+001
次に datamin と datamax を入力する。datamax はリニアリティーの保証範囲をカウントで入力する。保証範囲が不明な場合は30000くらいを入力するのが無難であろう。datamin は、読み出し雑音の3倍くらいの負の値を入力すればよい。
編集が終ったら :q と入力すると最初の phot 画面へ戻る。
次に画面の centerp の行に矢印キーでカーソルを移動してから :e と入力すると下の centerp の編集画面に移行する。

この画面では cbox の値として FWHM の 2 倍程度の値を入力する。maxshif は 2 ピクセルを入力する。これらの値は適当でよい。
編集が終ったら :q と入力すると最初の phot 画面へ戻る。
次に画面の fitskyp の行に矢印キーでカーソルを移動してから :e と入力すると下の fitskyp の編集画面に移行する。

この画面では annulus (スカイの内経)と dannulu (スカイの幅)を入力する。annulus はこの次の画面で入力する apertur サイズに 1.0 を加えた値とする。(この値は毎回修正する)
dannulu は 3〜5 の範囲の値とする。普通は 5 のままとして、星が密集している場合はスカイに他の星が入らないように小さい値とする。
編集が終ったら :q と入力すると最初の phot 画面へ戻る。
次に画面の photpar の行に矢印キーでカーソルを移動してから :e と入力すると下の photpars の編集画面に移行する。

この画面では apertur の値を入力として FWHM の平均値の 1.5 倍の値を入力する。(この値は毎回修正する)
小惑星が移動により楕円に写っている場合などは、1.5 倍より若干大きめにする。ただし、アパーチャー内にスカイが入り込むため測光誤差が大きくなるが、しかたがないだろう。
一方、比較星の場合は FLUX が十分にあるので常に 1.5 倍で問題はない。比較星が楕円の場合は星像の裾がカットされることになるが、FLUX が十分にあれば誤差の範囲内である。
次に、zmag は 0.(ゼロ)を入力する。初期値は 25 であり、25 だと測光値として妥当な等級が出力される。これを 0 にするとマイナスの等級が出力される。しかし、本来 zmag (zero point) は観測ごとに決定すべき値であるため 0 にするのが妥当である。
編集が終ったら :q を2回押すとパラメータ編集を終了する。